フォトクロミックジアリールエテン色素を用いた光記憶性電界発光素子の実現に向けて、導電性高分子とジアリールエテンの交互共重合構造を有する高分子の合成を行った。導電性高分子骨格であるアルキルフルオレンとジアリールエテンの交互共重合高分子の合成に成功した。この高分子は分子量およそ8000程度で、溶液、固体状態において良好なフォトクロミズム挙動を示した。さらに、その蛍光強度は光異性化に伴って可逆的に変化することが見いだされた。すなわちこれらの新規材料はそれぞれ光記憶性電荷輸送層、光記憶性発光層として機能するものと考えられる。また、これらの材料に対して、金属電極を蒸着法により取り付けることに成功した。更にその接合素子における整流挙動を検討したところ、フォトクロミズムに伴って可逆的に整流性が変化する現象が見いだされた。これを利用して、光記憶性電界発光素子が可能であると考えられる。
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