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1998 年度 実績報告書

表面上にデザインした金属一次元反応場による新規反応経路の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 10740335
研究機関東京大学

研究代表者

福井 賢一  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60262143)

キーワード金属一次元反応場 / 新規反応 / 酸素修飾表面 / 炭素修飾表面 / 高感度反射吸収赤外分光法 / 走査プローブ顕微鏡
研究概要

本研究の目的は、表面上で高活性・高選択的に反応を進行させるために表面の構造・電子状態を積極的にデザインし、必ずしも従来の触媒上に存在しない新たな反応場を創ること、そしてそこで新規反応を実現することである。この目的を達成するため本年度行った研究のうち主な物を以下に示す。
1. 酸素修飾Mo(112)表面の一次元Mo鎖上に生じる活性酸素種の反応性
Mo(112)表面を酸素原子で修飾することで表面上に一次元Mo鎖を創った。その一次元反応場に更に吸着させた酸素種は非常に活性で、メタノールからホルムアルデヒドへの100%の選択酸化触媒反応を定常的に進行させ得ることを見い出した。また、その活性酸素種が反応の活性化エネルギー及び選択性に与える影響を明らかにし、反応のメカニズムについて考察した[研究発表1]。さらに、その活性酸素種について紫外光電子分光(UPS)、高分解能電子エネルギー損失分光(HREELS)を用いた測定を開始し、同定を試みている。
2. Mo_2C(0001)表面上の一次元Mo鎖の走査トンネル顕微鏡による観察
Mo炭化物はPtに匹敵する高い水素化活性や酸化活性を示すことが知られているが、表面での現象はほとんど分かっていない。安定なMo炭化物単結晶であるMo_2Cの(0001)表面について走査トンネル顕微鏡(STM)、低速電子回折(LEED)、X線光電子分光(XPS)を用いて表面構造のキャラクタリゼーションを行った[研究発表4]。特に精密に処理条件を制御することにより表面上にジグザグな一次元Mo鎖を創り出せることをSTMを用いた研究により見い出した。来年度は原子レベルで表面を直接観察しながら、この一次元鎖を用いた新規反応の開拓を目指す。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ken-ichi Fukui: "Selective Oxidation of Methanol by Extra Oxygen Species on One-dimensional Mo Rows of a Mo(112)-(1×2)-O Surface" Journal of Physical Chemistry. 102. 8825-8833 (1998)

  • [文献書誌] Ken-ichi Fukui: "Reflection-Absorption Infrared Spectroscopic Study on a CuOX/SiO_2 Model Catalyst Prepared by Spin-Coating on a SiO_2/W/Si(100) Buried Metal Substrate" Chemical Physics Letters. 299. 158-164 (1999)

  • [文献書誌] Ken-ichi Fukui: "Imaging of Atomic-Scale Structure of Oxide Surfaces and Absorbed Molecules by Noncontact Atomic Force Microscopy" Applied Surface Science. (印刷中).

  • [文献書誌] T.P.St.Clair: "Characterization of α-Mo_2C(0001)" Surface Science. (印刷中).

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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