研究概要 |
1. Tip-diP法による脂溶性マクロトリサイクリックアンモニウムイオン(RMQA^<4+>)を包埋した人工平面脂質二分子膜(ミクロBLM)の試作と目的イオン(I^-,Br^-,Cl^-,F^-)に対する膜透過性変化の検討. 1) 安定なRMQA^<4+>:脂質:コレステロール単分子膜を形成できる膜組成の検討. テトラナフチルMQA^<4+>及びテトラベンジルMQA^<4+>は、膜崩壊表面圧力が30mN/m以上の単分子膜(気水界面上)を形成しないことがわかった.今後,2.の結果もふまえて,イオノフォア/脂質混合単分子膜の膜組成について検討し,電位応答型マクロBLMセンサー及び電流応答型ミクロBLMセンサーにフィードバックする. 2. 単分子膜貼り合せ法によるRMQA^4+を包埋した人工平面脂質二分子膜(マクロBLM) 4種のRMQA^4+を用いて,膜組成がイオノフォア:ジオレオイルフォスファチジルコリン(DOPC):コレステロール(chol)=1:10:5及び1:5:2.5(モル比)のRMQA^<4+>包埋マクロBLMを試作した.全ての膜について,目的イオン濃度の増加に伴うの膜電位応答及び電気伝導度変化は観測されなかった(S/N<3)。また,DOPC:chol=2:1(モル比)から成る膜とRMQA^<4+>包埋膜は,バックグランドコンダクタンスの差がなかった(S/N<3)。これらの結果より,上記組成で形成させたマクロBLMには,RMQA^<4+>が包埋されないことがわかった。 一方,カプリコート(陰イオン交換体)を包埋したマクロBLM(イオノフォア:DOPC:chol=1:10:5,モル比)は,I^-に対して膜電位応答を示すことがわかった。今後,マクロBLMへの他の陰イオン選択性イオノフォア(主に陰イオン交換体)の包埋についてもあわせて検討する。
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