1. キイロショウジョウバエの触覚第3節からのcDNAライブラリーの作成 キイロショウジョウバエから嗅覚受容体遺伝子をクローニングすることを目的として蛹期初期、中期、後期の触覚第3節からcDNAライブラリーの作成を試みた。各々約100個の触覚から得られたcDNAライブラリーから胴体部のcDNAライブラリーを差し引いたcDNAライブラリーを作成し、アンテナ特異的な発現をするクローンの塩基配列の決定を進めている。その経過について日本遺伝子学会大会で発表した。 2. メダカ嗅覚受容体遺伝子群の種内変異に関する研究 日本メダカ自然集団における嗅覚受容体遺伝子群の種内変異の特徴を明らかにすることを目的として、北日本、南日本、西韓国・中国、東韓国4地域集団の日本メダカ1匹ずつからそれぞれ4つの嗅覚受容体遺伝子のDNA塩基配列を決定した。系統学的な解析からそれぞれの遺伝子は日本メダカ集団の分岐以前に分岐したこと、また種内の変異のあり方は特にに分子進化の中立説から逸脱していないことが明らかになった。これらの成果は日本遺伝子学会大会と日本分子生物学会大会で発表した。
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