研究概要 |
COP1と蛋白質レベルで結合しうる遺伝子をいくつか単離し、COP1-lnteracting Protein,CIPと名付けた。COPlとの結合能を指標に4つ、そしてそれらとアミノ酸配列の相同性があるものを加えて計6つの遺伝子をCIPとして同定した。逆向き遺伝学の手法を用いて、6つのCIPの生体内における役割を調べたところ、6つのうち4つが実際にシロイヌナズナの光形態形成に関与していることが明らかになった。特筆すべきはこの4つがすべて、COP1のような光形態形成を抑制する因子ではなく、逆に光形態形成に必要な因子であるという発見である。これはCOPlと4つのCIPはどちらかがどちらかを抑制する因子であることを強く示唆している。これら4つのCIPのアミノ酸配列の解析、タンパク質産物の細胞内局在、ならびに機能解析の結果から、これらはすべて新しいタイプの転写のコアクチベーターであることが強く示唆された。以上の知見並びにCIPsの遺伝子発現の解析から以下のような作業仮説が立てられた。すなわち、暗所下ではCOPlがCIPの活性を何らかの形で抑制しており、光シグナルが一群の光受容体からCOPlへ伝えられると、COPlは不活化されその結果CIPが脱抑制されて、転写のコアクチベーターとして光依存性遺伝子群の発現を活性化する。
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