CIP4Aと相互作用するCOP1のドメインをGST pulldown法を用いて決定し、CIP4AはCOP1のCOILドメインと結合することを明らかにした。これまでのCOP1、CIP7に関する知見と考え併せ、COP1のCOIL領域は複数の下流因子とのインターフェースであることが示唆された。また、CIP4Aの細胞内局在をGFP融合タンパク質を用いて解析した結果、CIP4Aは光環境に依らず恒常的に核局在することを明らかにした。CIP4Aの持つ転写活性化能と考えあわせると、CIP4AはCIP7同様共.転写因子であることが強く示唆された。さらにCIP4アンチセンス植物の表現系を詳細に解析した結果、CIP4は光シグナルによる細胞伸長抑制並びに葉緑体形成に関わるが、光依存的なアントシアニン合成には関与していないことを明らかにした。従ってCOP1の下流には、アントシアニン合成並びに葉緑体形成を促進するCIP7依存的経路と葉緑体形成並びに細胞伸長抑制を促進するCIP4依存的経路に分岐することが強く示唆される。cip7-like変異体の詳細な表現型の解析から、CIP7-likeはCIP7と同じシグナル伝達経路に位置することを明らかにした。CIP7とCIP7-likeどちらか一方の変異体やアンチセンス株、過剰発現株の表現型の解析からCIP7とCIP7-likeはタンパク質レベルでヘテロ二量体を形成する可能性が示唆された。
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