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1998 年度 実績報告書

アメフラシの新規心拍動増強ペプチドの作用機序と組織局在に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10740389
研究機関広島大学

研究代表者

森下 文浩  広島大学, 理学部, 助手 (20210164)

キーワードペプチド / アメフラシ / ELISA / HPLC / 免疫染色 / cAMP / 神経細胞 / セカンドメッセンジャー
研究概要

軟体動物腹足類のアメフラシ(Aplysia kurodai)から単離した新規ペプチド、Asn-D-Trp-Phe-NH_2(NdWFa)の生体内での働きを解明するため、以下の実験を行った。
1. NdWFaの組織分布
(1) NdWFaのアメフラシ各組織における局在を検討するため、まずNdWFaに特異的な抗体を作製し、その特異性を競合的ELISA法で確認した。
(2) この抗体を用いた免疫染色の結果、脳、側、腹部などすべての中枢神経節に免疫陽性の神経細胞が観察された。今後、これらの神経細胞の同定を行う予定である。一方、免疫陽性の神経繊維は鰓、心臓、血管系、消化管、雌性生殖器官などに広く分布していた。これらの組織に対し、NdWFaは実際に収縮増強作用を示した。
(3) NdWFaの組織含有量を検討するため、各神経節のペプチド抽出物を逆相HPLCで分画した後、各画分中の免疫陽性物質の量を競合的ELISA法で測定した。その結果、いずれの神経節抽出物においてもNdWFaの保持時間に相当する画分にのみ、強い免疫活性が見られた。もっとも含有量の高かったのは腹部神経節で、その量は神経節あたり0.1nmolと推定された。
以上の結果は、NdWFaが神経伝達物質または神経ホルモンとしてアメフラシ中枢神経系の情報伝達及び末梢組織の機能調節に関わっていることを示唆している。
2. NdWFaの作用機序
NdWFaの心拍動増強作用の作用機序を検討するため、摘出心臓、単離心筋細胞を用いてNdWFaの細胞内cAMP量に対する作用を検討したが、いずれにおいてもNdWFaは細胞内cAMP量を変化させなかった。現在、Ca^<2+>,IP_3など、他のセカンドメッセンジャー物質に及ぼす効果を検討している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Morishita,F.: "Physiological effect and immunohistochemical distribution of a novel D-amino-acid containing cardioactive peptide isolated from Aplysia heart." Peptide Science. 1998. 印刷中 (1999)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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