研究概要 |
我々は光周波数絶対値測定のための広範囲光周波数コム発生の研究として、その範囲をさらに拡大することと、周波数測定精度の確認と、実際に囲光周波数コムの周波数測定に応用すること試みた。具体的には以下の結果を得た。 1) 広範囲光周波数コムの周波数確度の評価を行った。その結果、広範囲光周波数コムはHzオーダーの周波数揺らぎを持つことがわかった。その原因は使用した光ファイバーの温度変動による影響によってもたらされることもわかった。 2) 従来の光周波数コム発生器の差周波数測定精度の測定をドイツ-マックスプランク研究所のTh.Udem等の持つ光周波数分割器による差周波数測定法と比較し、6,8X10^<-15>の確度で差周波数測定が行えることがわかった。 3) 1)の結果を踏まえて、広範囲光周波数コムの光ファイバーの温度変動による影響による周波数揺らぎを抑圧する方法として正帰還制御による位相同期法を提案した。実験としては、レーザ安定化にこの方法を適用してその有効性を示した。 4) 移動可能な広範囲光周波数コム器を製作し、計量研究所のアセチレン安定化レーザの光周波数測定を行った。この結果従来の測定に比べ1桁程度の精度の向上が得られた。 5) 広範囲光周波数コムの他波長への変換を行うために、光周波数コムの第二次高調波の発生を試みた。その結果コム発生器内部でのSHGの発生と、外部でのSHGの発生を試みた結果、その両者とも実現可能であることが明らかになった。従って、光周波数コムの拡大に波長変換が有効であることが明らかになった。
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