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1998 年度 実績報告書

コヒーレントテラヘルツ電磁波放射光源の磁場による高出力化

研究課題

研究課題/領域番号 10750038
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

大竹 秀幸  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (80290899)

キーワードSaturable Bragg Refrector / 磁場 / コヒーレントテラヘルツ電磁波 / 共振器内励起
研究概要

本研究は、強磁場を印加した非線形半導体素子をテラヘルツ放射光源として用いたコヒーレントテラヘルツ電磁波光源の開発を目的した。Saturable Bragg Refrector(SBR)は、単一量子井戸からテラヘルツ放射を生じることが我々の研究により判明しており、その出力はナノワットレベルと非常に小さく、実用レベルに達していなかった。このSBR(電子技術総合研究所、電子デバイス部門の板谷研究員作成)に磁場を印加して、高強度のコヒーレントテラヘルツ電磁波を既存のレーザーシステムからの発生実験を行った結果、新型のGaAs基板上の単周期量子井戸超格子(Al_xGa_<l-x>As/AlAs)に赤外誘電体ミラーコーティングしたSBRを用いることにより、通常の半導体に赤外誘電体ミラーコーティングを施した試料が生じるテラヘルツ電磁波に比べて、桁違いの強度をもつテラヘルツ電磁波場観測した。さらに、磁場印加および共振器内励起光学系の構築によりピーク出力の高いパルス励起が可能になるため、結果として0.8マイクロワットの平均出力をもつテラヘルツ電磁波の生成に成功した。この結果は、既存のどのようなチタンサファイヤレーザー等のパルスレーザーと非線形結晶の組み合わせを用いても発生させることのできないテラヘルツ電磁波を、非常に容易に遠赤外パルスレーザー光として発生させる点で大きな意義がある。また、偏光フーリエ干渉分光計とInSbボロメーターのシステムにより、SBRから放射されるコヒーレントテラヘルツ電磁波のスペクトルを測定した結果、非常にバンド幅の広いスペクトルを得た。これらの結果より、当初の目的は達成されたものと考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Ohtake et al.: "All-solid-state,THz-radiation source using a femtosecond mode-locked laser with a saturable Bragg reflector in a magnetic field" OSA TOPS Advanced Solid State Lasers. 19. 367-369 (1998)

  • [文献書誌] H.Ohtake et al.: "All-solid-state,THz-radiation source using a saturable Bragg reflector in a femtosecond mode-locked laser" Jpn.J.Appl.Phys.36. L560-L562 (1997)

  • [文献書誌] H.ohtake et al.: "THz-radiation generation from an intracavity saturable Bragg reflector in a magnetic field" Jpn.J.Appl.Phys.37. L125-L126 (1997)

  • [文献書誌] H.Ohtake et al.: "All-solid-state,short pulse,far-infrared source using a saturable Bragg reflector in a femtosecond mode-locked laser" OSA TOPS Advanced Solid-State Lasers. 10. 1347-1349 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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