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1998 年度 実績報告書

ECRプラズマ法によるダイヤモンドの超微細加工

研究課題

研究課題/領域番号 10750096
研究機関山口東京理科大学

研究代表者

清原 修二  山口東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (40299326)

キーワード電子サイクロトロン共鳴 / ダイヤモンド / 酸素プラズマ / 原子間力顕微鏡 / レーザラマン分光法
研究概要

電子サイクロトロン共鳴(Electron Cyclotron Resonance:ECR)酸素プラズマによるダイヤモンドの最適加工条件を見出すため,Ib型の人工合成単結晶ダイヤモンド(100)面(2.0×2.0×1.0mm)と,Si基板(10×10×5.0mm)上に熱フィラメント化学気相合成(Chemical Vapor Deposition:CVD)法により合成したIIa型の多結晶ダイヤモンド薄膜の加工速度のマイクロ波パワー依存性,加工速度のガス流量依存性,加工速度のバイアス電圧依存性について検討した。その結果,単結晶ダイヤモンドとCVDダイヤモンド薄膜の加工特性は加工速度に違いがあるもののほぼ類似していた。また,加工前後の表面粗さと構造解析には,それぞれ原子間力顕微鏡(AFM)と顕微レーザラマン分光分析装置を用いた。
マイクロ波パワ-0〜300Wまでの範囲で,加工速度はマイクロ波パワーの増加にともなって線形的に増加した。CVDダイヤモンド薄膜の加工速度は単結晶ダイヤモンドのそれと比べ約5倍になった。マイクロ波パワー100W,200W,300Wにおいて,ガス流量10sccmまでの範囲で加工速度はガス流量が3sccmまでは線形的に増加し,その後ガス流量が増加するにしたがって減少した。これは,ガス流量が3sccmまでは酸素ラジカルがほとんど反応に寄与するが,さらに流量を増すと排気速度も付随して増加するので,活性種が反応する前に排気されているためと考えられる。加工速度は負のバイアス電圧0〜-600Vの範囲において,線形的に増加した。これは基板に負のバイアス電圧が印加されることで酸素イオンによるスパッタエッチングが進行したためと考えられる。加工後の表面粗さを測定した結果,単結晶ダイヤモンド,CVDダイヤモンド薄膜とも加工前に比べ,中性酸素ラジカルによる等方的加工のため表面が粗れた。単結晶ダイヤモンドではマイクロ波パワーが小さいとき,加工面に六面体面が現われたが,マイクロ波パワー300Wと大きくなるとこの六面体面が形を変え角が取れたようになり表面粗さRa(中心線平均粗さ)が減少した。また負の印加バイアスを大きくすることによりスパッタリングの作用が相乗され表面粗さRaは減少した。加工後のラマンスペクトルの結果,単結晶ダイヤモンドにおいて,1333cm^<-1>(sp^3軌動)のダイヤモンドのラマンピークしか現われず,マイクロ波パワーや加工時間によって表面構造が変化しないことが分かった。CVDダイヤモンド薄膜では,ダイヤモンドを示すピーク(1333cm^<-1>)と基板のシリコンを示すピーク(525cm^<-1>)が現われた。しかし1時間加工後には,それに加えて無定形炭素(黒鉛)を示す1500cm^<-1>(sp^2軌道)付近にブロードなピークが現われた。このピークは,加工時間の増加とともに現われなくなった。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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