高解像度CCDカメラにより、揺動翼をもつ水平軸風車翼周りの流れを詳細に調査した。本実験では風洞に設置した模型風車を用いて実験を行った。PIVでは煙法による可視化を用いて流れを解析する。この時、風車回転中の翼周りの流れは非常に複雑であることと風速を12m/sに設定する性能試験の風車運転状態では風速が速く煙が拡散して可視化できない、このためにまず、可視化可能な風車運転条件を検討した。風速を下げた場合と下げない場合(12m/s)において流れが変化しないことを、タフトグリッドを用いた可視化により検討した。この結果風速を1/3程度まで低下させた場合においても、風車周囲の流れが風速12m/sの場合とほぼ等しいを明らかにした。この結果に基づき、各種煙法による可視化を行った。風車周囲の流れは非常に複雑であるため、以下の項目について詳細にデータ収集を行った。(1)風車翼の各半径断面における翼周囲の挙動(翼表面における流れの状態)(2)風車周囲の回転中心を含む面での流れの挙動(風車によるエネルギー抽出と風の関係)(3)風車回転軸に対し直角な面での流れの挙動(風車翼はその性能と翼端渦の形成が密接に関係しており、翼端渦の形成状態および下流へ流れ去る場合の渦の運動)以上の項目について詳細に流れ計測した。これらの結果をもとに次年度はさらに実験および解析を重ね、揺動翼を風車に適用した場合の流れを速度ベクトル分布から明らかにする。
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