研究概要 |
本研究で選定した相変化混相媒体について,種々の固相率における顕微鏡観察および写を行い,固相材の形状,大きさ,および粒径分布に関して検討を加えた. 加熱実験装置の製作 相変化混相材を用いて,加熱した物体を様々な条件で冷却した場合の熱伝達特性を測るため,試験流路の壁面を加熱面とした実験装置を製作した.試験部および被冷却物体の温度は,熱電対および放射温度計により測定した.また,試験部前面は,ビデオカメラによる内部の観察および断熱を考慮してペアガラスを用いた. 3.混相材の固相率測定装置の製作 上記の実験装置の他に,電気伝導度法を応用し,電極間に存在する固液混相媒体の電気抗値を測定することにより,固液混相状態における固相率を測定するための装置を製作した. 4.研究成果および特筆すべき点 (1) 本研究で用いたエチレングリコール水溶液-氷系混相媒体中の氷粒子径は,既存の-氷系混相媒体の氷粒子径(数mm〜数十mm)と比較して非常に小さくなり(数百ミクロン程度),急激な温度変化に対する熱負荷応答性が良好である. (2)氷粒子に働く浮力により,氷粒子は試験部上部に堆積し,試験部上下において固相率分布が大きく異なることが明らかとなった.また,試験部加熱面での熱伝達特性は,固相率分布の影響を強く受け,氷粒子が堆積し加熱面において接触融解熱伝遠め形態となっている試験部上部での熱伝達率が,試験部下部に比べ高くなる傾向が認められた.
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