研究概要 |
当該年度においては平面衝突噴流流路系を構築し,画像処理流速計を用いて平均速度分布、乱れ度分布などの乱流統計量、および乱流構造の可視化を行った。 流路は循環式で,大型タンクに貯蔵した作動流体(水)をポンプによって流路上部に設けるリザーバ・タンクへ供給し,管路部,助走部(200x300x900)を経て幅30mm,アスペクト比10の二次元ノズル(200mm x 300mm x 300mm)に導き,テスト部(680mm x 300mm x 640mm)にて層流平面噴流を構成した.作動流体は噴流軸に対して垂直に置かれた平板(200mm x300mm)に衝突したのち,大型タンクへ戻る.配管材は塩化ビニル製であり、助走部、テスト部および衝突板は透明アクリル製とした。ノズル部は3次多項式形状を成しており、その製作に当たってはポリエステル樹脂とグラスファイバーを用いた繊維強化プラスチックを、NC加工を施したアルミ製の型に当てはめて成形した。流路および配管はL型鋼を溶接加工した架台(1m x 1mx 3m)に設置した。 流路製作後、画像処理流速計による流速分布計測を行った。ノズル出口における速度分布はトップハット形状を成し、乱れ度が1%未満の層流状態であった。噴流軸線上の平均速度および乱れ度分布は熊田ら(1973)の結果、およびゲルトラーの理論解と良い一致を示し、流路の信頼性を確認した。瞬時の速度データから渦度分布を算出し、せん断渦の発達や衝突板近傍の縦渦構造を捉えた。
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