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1998 年度 実績報告書

相変化に伴う自励振動を応用した高性能熱輸送デバイスの作動原理の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10750142
研究機関東京大学

研究代表者

白樫 了  東京大学, 生産技術研究所, 講師 (80292754)

キーワード熱輸送管 / 相変化 / 数値シミュレーション / 二相流
研究概要

研究対象である蛇行閉ループ熱輸送管(以下,MCL-HTD)の作動原理を的確に把握する目的で,数値シミュレーションモデルを構築し,作動液体を水とした計算結果を,MCL-HTDの気液柱の可視化実験から求めた流動様式と比較したところ,気柱の伝播現象がみられた10-20ターン(片側10ターン)(気相率5%)では,実験と同様な気柱伝播のパターンを計算で再現出来ることが示された.本モデルは1次元の相変化を含む均質流を仮定し,作動液体の物性としては,表面張力が無視されている以外は,蒸発潜熱,飽和蒸気圧等を全て考慮にいれている点で物性値の考慮は広く考慮されている.一方で,気柱の生成や消滅の条件に直接かかわる凝縮率と蒸発率,流動状態を通じて顕熱輸送に影響を与える壁面摩擦係数の設定に問題があり,流動パターンの再現はできるが,輸送熱量の予測までには至っていない.
MCL-HTDは,液柱部は顕熱輸送,気相部分は界面から界面への作動液体の蒸発凝縮による潜熱輸送を行っていると考えられる.従って,気相部が多い程,潜熱輸送が顕著になりサーモサイホンに近い状態となり,高い有効熱伝導率が期待できる.気柱の発生移動は,輸送管の高温端近傍のU宇部における発泡が伝播していくことでおきるので,片側2ターン必要となる.そこで,作動様式の基本である気柱の伝播がおきると考えられる最小単位である2-4ターン(気相率75%:気相柱が輸送管一本分)について,水,エタノールを作動液体として,流動様式を可視化した.結果,10-20ターンと同様な安定した気柱の伝播パターンが確認できた.いずれの条件でも安定作動した場合,銅の100倍程度の有効熱伝導率が得られた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 永田眞一,瀧田義治,白樫 了,西尾 茂文: "蛇行閉ループ式熱輸送管" 第35回日本伝熱シンポジウム講演論文集. 2. 527-528 (1998)

  • [文献書誌] 永田眞一,瀧田義治,西尾 茂文,白樫 了: "蛇行閉ループ式熱輸送デバイスの熱輸送特性" 生産研究. Vol.50・No.9. 303-306 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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