多孔質体内の熱・物質輸送現象の解明を目的として、磁気共鳴イメージング(MRI)を用い、多孔質体内部の微細構造と共に熱・物質移動現象を局所的に捉えるための温度・流速分布計測法の開発を以下のように行った。 ・水分子中の水素原子核の磁気モーメントの緩和時間が温度に強く依存することを利用したInversion Recovery法を用いて、一定勾配温度分布を付けた静止流体セルおよび周囲壁面冷却管内の温度分布計測を行い、熱電対との比較によりInversion Recovery法の測定精度の評価を行った。 ・水素原子核の選択的な部分励起パルスにより流体中に格子状のタイムラインを形成し、それらを時間経過と共に追跡することで流速分布を計測するTagging法をビーズ充てん層に適応し、その内部流動の可視化と共に構造との関連を示した。 ・温度・流速分布の同時計測法の確立を目指して、Inversion Recovery法とTagging法を組み合わせたIR Tagging法を開発し、その計測精度の評価を行った。 ・固体・液体間での磁化率の急激な変化が核磁化モーメントの緩和過程に及ぼす影響を調べるために、磁化率を変化させた特殊な微粒化ガラス粒子の緩和時間を計測し、磁化率が緩和時間及ぼす影響を実験的に求めた。
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