| 研究概要 |
(研究実績の概要)
新しい材料として注目されている金属-金属間化合物系傾斜機能材料の特性や品質を制御し,より望ましい性質をもつ安定した材料を供給するためには,様々な未知のパラメータや各々の要素間の関係を同定する必要がある.しかし,傾斜機能材料そのものの性質のほとんどが未知であり,それを知るためには,従来の測定方法を改良した制御のための測定方法や解析方法が必要となる.
このことから,本研究では,傾斜機能材料の様々な機械的性質を導出するための基礎研究として,傾斜機能材料に対してウェープレットによる画像処理技術を応用する研究を行った.
(研究によって得られた知見)
本研究では,市販のアルミニウム(Al)インゴットとアルミニッケル合金(Al-20mass%Ni)を素材として,真空遠心力法にてAl-Al_3Ni傾斜機能材料を作製した.これを供試材として用い,以下の結果を得た.
1. 平面ひずみ圧縮試験における格子線解析法をウェープレット変換を用いて改良した.
2. 1.によって得られた画像データから,せん断ひずみ分布を求めた.
3. 2.で得られた分布より,き裂推定の可能性を検討した.
また,試験片の平均密度およびAl_3Ni層の平均体積分率を用いて導出したヤング率より,得られた上記の結果を検討することは今後の課題とする.
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