研究概要 |
1. 秒速20mで安定して運動を行うことのできる移動台車 本年度,標記移動台車の第一次試作を行った.基本は対向2輪型であり,外形は243H[mm]x243D[mm]x150H[mm],重量はバッテリ込みでおよそ7.5[kg]となった.車台中央に独立駆動輪を二つ設け,前後にサスペンションを有するキャスターを置いた.また,車台左右に計測輪を配置し,駆動輪のスリップを検出できるようにした.左右の駆動輪はそれぞれ70[W]の直流サーボモータで駆動し,定格出力時に20[m/s]の速度を発生できる(設計値).現在のところ約5[m/s]の速度までは,安定して運動できている. 2. スリップを考慮にいれた急加減速コントローラ 駆動力はスリップ率の関数であり,スリップ率が約0.1の付近で最大の駆動力を発生できる.したがって,急激な加減速を効果的に行うには,駆動輪のスリップ制御が不可欠である.そこで若干の余裕をみて,スリップ率0.08を保つような制御系の構成を試みた.床面と車輪との間の滑りは非線型な現象であり,この制御をフィードバック系で構成することは不可能であった.結局フィードフォワード系で目的の制御系を実現し,急加減速を試みた.その結果,床面の摩擦係数が急激に変化するような路面状況であっても,安定して加減速が行えることが明らかになった.
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