研究概要 |
実演によるロボットへの作業教示への第一歩として,オンラインで人間の上半身姿勢を視覚で認識するシステムを開発した.また,その認識システムを上半身型ヒューマノイドロボットに搭載し,人間の取る姿勢をそのままそっくり真似る,人まね実験を行った. 開発した人間の姿勢認識システムは,入力画像のカラー情報をもとに抽出された人間の顔,手の三次元位置から,人間の上半身を球と円筒でモデル化した姿勢候補のCG画像を作成し,入力画像との類似度の最も高い姿勢候補を認識結果とする.この姿勢認識システムは,一つの人間の姿勢を0.6秒で認識する.連続的に変化する人間の姿勢の認識実験を行い,普通の人間の動作速度ならば,連続認識が十分可能であることを確認した.姿勢候補CG画像と入力画像との類似度で姿勢を認識するという今回開発した方法は,ノイズや照明の変化の影響を受けにくく,安定な姿勢認識が可能となった. 開発した姿勢認識システムをヒューマノイドロボットに搭載し,人間の取る姿勢をそのまま真似る,人まね実験を行った.実験では実演者はヘッドフォンマイクを装着し,「見て」と「真似て」という二つの指令を音声で与えた.ヒューマノイドロボットは「見て」という音声指令を受けとると,HTK(Hidden markov Tool Kit)を用いた音声認識処理部で指令を認識し,姿勢が発せられた時点の人間の姿勢を認識する.その後「真似て」という音声指令を受け取ると,先の認識結果に基づきアームを動かして認識した姿勢をとる.
|