研究概要 |
垂直多関節型5軸ロボットに柔軟リンクおよび簡易型ハンドを取り付け,転がってくるボールの捕球・投球動作を行わせた.具体的にはまず捕球・投球動作を ・ボールを認知して捕球位置・時刻を推定し,ハンドを移動して捕球する捕球動作, ・ハンドを振り上げ,投げ動作に備えて捕球したボールを構える振上動作, ・ハンドを振り下ろしてボールを目標位置へ投げる投球動作 の3つの要素動作に分けて考え,これらを合成PTP勤作としてとらえて合成動作最適化により最適化を行った.その結果,以下に記すように器用で巧妙な動作を獲得できた.最適合成にはシンプレックス法を用いた. 1. 捕球位置まで高速に移動し,かつ残留振動が抑制された捕球動作が実現できた. 2. 高速にしかも残留振動少なく指定された望ましい位置・姿勢にハンドを移動する振上動作が実現できた. 3. 障害物から十分離れた飛行軌跡でボールを指定された目標位置に投げる投球動作が実現できた. 更に各動作を行う状況を変えながら最適合成を行った.その結果,典型的なパラメータ値に対して最適合成を行って得た経験知識をそれぞれの知識アレイに記憶して活用することにより,未経験のパラメータの組み合わせに対しても準最適な合成動作を推定・実現できることが確認された. 平成11年度は最適合成動作として得られた捕球動作,振上動作,および投球動作を一段階上の知能化レベルの要素動作と考えて最適合成することにより,デクストラス捕球・投球モーション,すなわち,"様々な未経験の状況にも適応できる高速で正確な捕球・投球動作"を実現し,知的合成動作制御法の有効性・発展性を示す.
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