石英ガラスに熱を加えながら高電圧を印加する(熱ポーリング)事により2次非線形光学性が発現する。純度が高く光学素子として利用できる合成石英ガラスにおいては通常は2次非線形光学性が発現しない。しかし我々は石英ガラス中に2次非線形光学性の原因であるSiO-とH^+をKrFエキシマレーザーを照射して導入することにより極めて大きな2次非線形光学性を発現させることに成功し、赤外光を緑色の光に波長変換することに成功した。また一度できた2次非線形光学相に再度KrFエキシマレーザーを照射することにより、極めて効率よく消去することに成功した。石英ガラスを用いて高効率の波長変換を達成するためには疑似位相整合構造を作成する必要があるが今回の2次非線形光学相の消去法法は極めて簡単に行うことができるため、実用上大変有意義である。この2つの2次非線形光学相の生成、消去技術を利用して線幅50μmの疑似位相整合構造を作成することに成功した。今後更なる精密化を行い波長変換効率を増加することが来年の課題である。
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