本年度は、アフィン代数多様体上の符号をより一般化した、順序つき基底上で構成される符号の一般化ハミング重みの定式化に関する研究を主として行った。その結果、以下の3つの新たな知見を得た。 1.符号の検査行列を与えるベクトルに対して任意の順序を定め、well-behavingとよばれる概念を用いて、ベクトル列の部分的な一次独立性に対して更に詳細な考察を加えた。その結果、前年度に得られた一般化ハミング重みの下界式をより一般の符号に対して拡張することができた。 2.1.で得られた下界式について、符号が成立する条件について考察した。その結果、リード・ソロモン符号、リード・マラー符号に対して、符号を定めるパラメタによりその条件を定式化した。特にリード・マラー符号については等号成立のための必要十分条件を導いた。 3.Pellikaanらによって提案されているOrder boundとよばれる一般化ハミング重みの下界を、本研究で与えた下界と比較可能となるように再定式化し、比較を行った。その結果、一方が他方を上回る為の条件を新たに発見した。即ち、これらの下界は一方が他方を含むものではなく、互いに独立なものであることを明らかにした。
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