本研究は、性能評価の段階では優れた成果が得られたが、ハードウェア実行においては、困難な状況にある。 今年度は、以下の研究成果が得られた。 1 SPEC 95、ISAベンチマークを備えたトレース駆動シミュレーションを用いての、多様な分岐予測スキーマのシミュレーション(実行) 2 分岐予測の遺伝的アルゴリズムを用いてのシミュレーション(実行) 3 動的命令ストリームおよび誤予測フィードバックから最適分岐予測子を合成するための、遺伝子的学習の可能性の検討(実行されたが、更に研究を要する。) 4 進化アルゴリズムの結果に対して適切な論理設計を生成するための、進化ハードウェアの可能性の検討(アプリケーションのリアルタイム要求のため、研究は困難な経過をたどっている。) すなわち、購入可能なFPGA装置(Altera Flex 10K100)が低速であるという問題のため、ハードウェア実行に関しては、思うような成果が得られていない。また、アプリケーションからのリアルタイム要求という厳しい問題にも直面している。現在は、ハードウェアのクロック周波数の改良に全カを注いでいる。そのため、更に直接的な方法で、商業CADツールの持つ合成能カに手を加える必要がある。改良型通信のためには、ハードウェアチップとホストコンピュータ間の通信は、新しいPCIバスをベースとすることになる。 困難な問題を抱えてはいるが、こういった問題の解決策を考えており、来年度は、その解決策を検証する計画である。私は、本研究が優れた発展性を有するものであるという確信を持っており、更に研究を続けて行く考えである。
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