本研究ではハードウェア設計に関しての進展がみられた反面、単スレッド環境での構造可変性の限界も明らかになった。可変構造の数を制限するためにサンプリングの方法で取り組んだが、分岐子予測ユニットを進化させ、単純なパイプラインプロセッサ内で構造を再構成させるためには、単スレッド環境では時間がかかりすぎる。このプロセッサをFlex10K装置と分岐子命令到達速度で設計したが、構造可変性の利点が活かされるように迅速に再構成するのは困難であった。 このような取り組みにより、可変構造型マイクロプロセッサの操作には、GA実行のための専用の処理ユニットを備えた環境が必要であることが示された。理想としては、この処理ユニットは、容易にハード・ソフト共同設計ができ、かつ高速のプロセッサであればよい。 以上の条件が整えば、システムオンチップ設計法を備えたマルチプロセッサが、上述の問題を解決するであろうことは明らかである。実際、この場合には、複数個のプロセッサの内のひとつは、GA実行だけに携わることができ、構造再構成に時間をかけずにすむ。今後この点に関する研究を進めていく考えである。
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