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1999 年度 実績報告書

光ファイバ中の散乱現象GAWBSを利用した温度センサの研究

研究課題

研究課題/領域番号 10750316
研究機関東京農工大学

研究代表者

田中 洋介  東京農工大学, 工学部, 助手 (20283343)

キーワード光ファイバ温度センサ / GAWBS
研究概要

平成11年度は,光ファイバ中で発生する前方散乱現象GAWBS(Guided acoustic-wave Brillouin scattering)を温度センサに応用する際の問題点とその解決手法,測定精度向上手法等について以下の3項目に着目し,理論,実験の両面から検討を行った.
1. GAWBSの引っ張り歪み依存性
光ファイバに加わる引っ張り歪みは,温度と同様GAWBSによる偏波変調周波数の変化をもたらすため,温度測定精度を劣化させる.上記項目1では,10^<-3>以内の引っ張り歪みεに対し,GAWBSによる偏波変調で生じる側波帯の周波数fが1/f・df/dε=1.8の関係で変化することを確認した.
2. GAWBSによる偏波変調周波数観測の精度向上
光ファイバの被覆が,GABWSを誘起する音響波の減衰につながることに着目し,被覆除去によるGAWBSの偏波変調信号の増大とその共振スペクトルの狭帯域化を実現した.実験により,被覆がある場合の1/50以下のファイバ長かつ20倍以上高い分解能で,GAWBSによる偏波変調の共振スペクトルを観測できることを示した.
3. GAWBSの偏波無依存検出手法
GAWBSによる偏波変調を光ファイバ出射端に検光子を配置して検出する場合,観測信号が出射光の偏光状態により大きく変動することが前年度の研究で明らかになった.その対策として,出射光を偏光ビームスプリッタで直交する2成分に分離し,各成分から抽出したGAWBS信号を足し合わせることで安定した信号観測が行える光学系を構築した.
以上により,GAWBSによる温度センサの基礎が固められた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Tanaka and K.Ogusu: "Temperature coefficient of sideband frequencies produced by depolarized guided acoustic-wave Brillouin scattering"IEEE Photonics Technology Letters. Vol.10,No.12. 1769-1771 (1998)

  • [文献書誌] Y.Tanaka and K.Ogusu: "Polarization dependence of amplitude modulation by guided acoustic-wave Brillouin scattering"Proceedings of 13th International Conference on Optical Fiber Sensors. SPIE Vol.3746. 116-119 (1999)

  • [文献書誌] Y.Tanaka and K.Ogusu: "Tensile-strain coefficient of resonance frequency of depolarized guided acoustic-wave Brillouin scattering"IEEE Photonics Technology Letters. Vol.11 No.7. 865-867 (1999)

  • [文献書誌] Y.Tanaka and K.Ogusu: "Polarization dependence of depolarized guided acoustic-wave Brillouin scattering detected after an analyzer"Journal of Optical Communications. (2000)

  • [文献書誌] 田中洋介,小楠和彦: "GAWBSによる振幅変調信号の偏波依存性"1998年電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会講演論文集. C-3-66 (1998)

  • [文献書誌] 田中洋介,小楠和彦: "デポラライズGAWBSの偏波無依存検出"1999年電子情報通信学会総合大会講演論文集. (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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