研究概要 |
本年度は,以下の研究を行った. 1. 位相情報を積極的に用いた制御系設計に関して,相対次数が正確にはわかっていない場合に関しては,これまでなんら議論していなかった.位相情報を用いたロバスト制御系設計に関する,相対次数のミスマッチの影響を検討した.その結果,制御対象の相対次数が公称モデルのそれよりも1次少ない場合には,先に申請者が発表した結果とほぼ同等の条件を満たせばロバスト安定性を補償することができた.同時に,不安定ゼロ点数のミスマッチに関する研究を行い,不安定ゼロ点の数を正確に見積もることが必要なことを明らかにした.この結果をシステム制御情報学会誌に投稿し,採録予定となった. 2. 制御対象のパラメータと制御器のパラメータを独立に求めず,同時に設計する方法を検討した.システム同定する際に,周波数応答法などで制御対象などの周波数データが得られるので,そのそれぞれのデータに対して,安定条件と制御仕様(実際には1本の条件となると予想されるが)を満足するための制約条件を求め,最適化の手法を用いてパラメータと補償器を求めるためのアルゴリズムを検討した.この結果をまとめ,14th World Congress of International Federation of Automatic Controlに投稿し,査読の結果,採録決定となった.
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