研究概要 |
ロボットの運動が高速になるにつれ,機構に発生する原因不明な微振動が顕著となり,作業遂行に支障をきたす場合がある.このような振動を絶縁し,振動がロボットのハンドリング物体に伝わらないような汎用微振動抑制装置の開発と,その制御系の構築というのは本研究の目的である.本年度では以下のことを行ってきた. ● 独自に拡大機構を考案した.この機構は50mm四方の鉄材に2重てこを実現したもので,約8倍の拡大率を有する.これにより,140ミクロン程度の振動を除去できるようになる. ● 拡大機構に圧電素子を組み込んだもの(これを除振アクチュエータとよぶ)の静特性および動特性の測定/同定を行った.これにより対象のモデルが確定した. ● モデルの特徴を活かして,ループ整形手法で制御器を設計した. ● 設計した制御器を実装して,振動制御実験を行った.実験により,設計した制御器は24ヘルツ付近で約40dBの除振効果があり,また閉ループ系のロバスト安定性が確保されていることがわかった.
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