| 研究概要 |
今年度は,非線形柔軟構造物の基礎的研究として,回転する柔軟梁の力学について解析を行った.単純な片持ち梁であっても回転しているときには,遠心力の影響により,通常の梁の理論では無視できる非線形項が無視できなくなる.このような構造物に対する制御系の設計理論はまだ十分に研究されておらず,非線形制御理論の適用が必要となる.これに対し本研究では,一定の条件の元に,受動性が成り立っていることを証明した.これは今まで明らかにされていなかった性質であり,制御系の設計に対し重要な指針を与えてくれる.もっとも単純な安定化制御として,システムのネガティブ・フィードバックによって安定化が可能である.また,受動性が成り立たなくなる条件を求めた.この場合,フィードバックによって受動化することが今後の課題である.さらに,より現実的な出力フィードバックによる制御系の設計理論の研究を進める予定である.
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