本年度は、インプリシットシステムについて研究し、以下の研究成果を得た。 ・インプリシットシステムの消散性について考察した。特に、インプリシットシステムが2次形式供給率に関して消散的であるための必要十分条件を線形行列不等式(LMI)および等式制約付きLMIを用いて与えた。 消散性に関するこの結果は、本研究において非常に大きな役割を果たしている。 ・消散性の理論に基づいて、インプリットシステムに対する線形2次最適制御問題を解き、最適制御がシステム変数間の代数的な拘束条件で与えられることを示した。 以上の結果は、1999年12月に米国で開催された第38回IEEE Conference on Decision and Controlで口頭発表した。 ・インプリシットシステムの有界実性について考察した。 安定条件と消散性の条件を組み合わせることにより、インプリシットシステムに対する有界実条件を導出した。有界実性はH_∞制御およびロバスト制御において重要な役割を果たすものであり、ここで得られた結果はインプリシットシステムのロバスト制御の基盤となるものである。 有界実性に関する結果は、1999年5月に愛知県で開かれた第28回制御理論シンポジウムで口頭発表した。
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