研究概要 |
本研究では,筋電義手の把握力を義手の情報を,電気刺激を用いて使用者に伝達する装置(感覚機能代行装置)を開発し,その有用性と限界を示すことを目的とした.具体的には,電気刺激を使用者に提示するための電気刺激用電極を試作した.本電極は,電気刺激を提示する電極の周囲に,シールド用のドーナツ型の電極を配置したものである.刺激電極は,直径8mmのステンレス板(厚さ0.1mm)であり,シールド用電極は,内径9mm,外径30mmのステンレス板である.これらの電極を塩化ビニルシ一ト上に貼付したものである.これにより,内側の電極より提示される電気刺激による信号が,シールド用電極から,外側に出ないようにするものである.本電極は,その形状が柔軟に変形するため,使用の腕に密着させることが可能である. 本電極を用いて,使用者に電気刺激を用いて義手の情報を伝達する際に,電極の数,使用者に与える電気刺激の搬送波周波数,振幅,変調方式(パルス幅,振幅変調,パルス幅変調),刺激部位を決定しなけらばならない.そのための心理物理実験システムを構築した.本システムは,電気刺激装置,アイソレータ,試作した刺激電極,そして電気刺激装置の制御,刺激の大きさ(電圧)を計測する計算機をから構成される.本装置を用いて,電気刺激に対する閾値を測定した.
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