研究概要 |
本研究では,複雑で大規模な組合せ最適化問題である道路舗装の補修計画問題に対して,GAとニューラルネットワークを併用した最適化アルゴリズムを開発し,その有効性と汎用性について検討することを目的とする.研究初年度の実績としては以下のとおりである. 1) 道路鋪装の補修計画策定問題について,既存の「時間・空間統合最適化モデル」を運用し,ニューラルネットワークの状態変化過程における初期値の影響について調べた. 2) 既存橋梁の耐震補強計画策定問題を対象として開発されているGA最適化モデルを利用し,GAの遺伝子フォーマットのコーディング方法と導出解との関係について,投資予算と対策工法数の関係から検討した.その成果を関係学会に公表した. 3) 建設省や県などの関係機関に協力いただき,一般国道に関する路面の劣化・損傷状況,交通量,その他の交通条件などの各種データを収集した.また,それらを連続10年程度の長期的時系列データとしてデータベース化した. 4) 道路舗装の補修計画における最適化問題を,路面の劣化度を最小化する問題として定式化するとともに,GAによってコード化した.そして,シミュレーション用のモデルデータにより運用した結果,GA単独の最適化アルゴリズムによる解の信頼性を確認することができた. 以上の初年度研究実績を踏まえ,今後,既存の「最適化モデル」をGAの最適解を入力値とするように改良し,最適化アルゴリズムの性能評価を行うと共に,実路面データによる道路舗装の維持管理に関する諸問題(補修工事区間長や補修サイクルなど)についても分析・検討する.
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