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1998 年度 実績報告書

プレートの沈み込み形状を考慮した広域震度分布予測手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10750418
研究機関北海道大学

研究代表者

高井 伸雄  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10281792)

キーワード広域震度分布 / 震度分布予測 / 地震波伝播経路 / アンケート震度 / 北海道
研究概要

広域地震防災対策の基礎資料として重要な想定地震における広域震度分布図を、精度高く予測するために、地球内部の減衰構造を反映させて作成する手法を開発している。本年度は対象地域を北海道に絞り、過去の6つの被害地震で得られたアンケート震度データを、大規模減衰構造である太平洋プレートの沈み込み形状を踏まえて解析を行っている。
(1) 伝播経路の計算と回帰式の作成
既往の2重深発地震面に関する研究を基に、北海道地域の太平洋プレートの沈み込み形状を簡単にプレートとそれより上部という2層にモデル化した。作成したモデルを基に観測点と震源を含む断面を作成し、スネルの法則を用いて2次元内の地震波伝播経路を求めた。求められる伝播経路はプレート内とそれより上部となる。震度を目的変数、求めた経路を2つの説明変数として各地震で回帰式を求めた。求められた回帰式による任意点の予測震度は従来の震源距離による予測震度より精度は向上した。
(2) 表層地質分類による補正係数
さらに、求められた回帰式からの観測震度との差を表層地盤による増幅効果と見て、震度差を表層地質により分類した。これより地質年代と震度差が密接な関係があることが明らかになり、各表層地質に対する震度の補正係数を導出した。
(3) 他地域への適用
求められた、各地震における回帰式と表層地質による補正係数を用いて、回帰に用いなかった東北地方の震度を予測し、存在するアンケート震度データと比較したところ、距離減衰式で求められる予測震度よりも精度の高い予測が行えていることが明らかになった。
今後求めるれた回帰式に関する議論と共に地震規模の影響評価を行い、さらに煩雑な伝播経路計算部分を改良することで一般性の高い予測手法として開発していく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 高井伸雄・梅田浩士・岡田成幸: "リソスフェア構造を反映させた広域震度分布予測手法の開発-北海道地域におけるアンケート詳細震度データの解析-" 第10回日本地震工学シンポジウム論文集. Vol.1. 553-558 (1998)

  • [文献書誌] 高井伸雄・梅田浩士・岡田成幸: "地震波伝播経路を考慮した広域震度分布予測手法の開発-1.考え方-" 日本建築学会北海道支部研究報告集. No72(印刷中). (1999)

  • [文献書誌] 梅田浩士・高井伸雄・岡田成幸: "地震波伝播経路を考慮した広域震度分布予測手法の開発-2.北海道における予測式の構成とその適用例-" 日本建築学会北海道支部研究報告集. No72(印刷中). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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