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1999 年度 実績報告書

相変化材料を利用したローエネルギーハウスの冷暖房エネルギーの削減効果

研究課題

研究課題/領域番号 10750433
研究機関北海道大学

研究代表者

長野 克則  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80208032)

キーワード相変化材料 / 潜熱蓄熱材 / 融点 / 硝酸マンガン・6水和物 / 負荷平準化
研究概要

平成10年度は、冷房用の蓄熱材として利用可能な物質の探索を行いその結果、硝酸マンガン・6水和物が有望であることがわかった。しかし、硝酸マンガン・6水和物の融点は約26℃と高く、このままでは冷房用と蓄熱材とは使用できない。昨年度数種類の無機塩を添加して融点調整を試みたがその結果、塩化物が融点調整の効果がありそうだということが判明した。
これを受けて、本年度は合計14種類の塩化物を1%wt.添加した場合の融点と融解潜熱の変化を、熱分析装置DSCを用いて測定を行った。その結果、添加した塩化物が電離しないと仮定した場合の重量モル濃度と凝固点降下はほぼ線形の関係にあることがわかった。一方、評価項目として凝固の際の過冷却が重要となる。例えば、食塩を添加した場合の過冷却度は平均で14.6℃でその標準偏差も6℃以上あったが、塩化マンガン・4水和物を添加した場合のそれは12.5℃、その標準偏差は、0.6℃と非常に安定していた。また、塩化マンガン・4水和物を10%以上添加した場合も、融解潜熱量は基材のそれとほぼ同等な値を示すことがわかっており、(1)融点の調整、(2)過冷却抑制、(3)潜熱量の維持、の3つの観点から現時点では塩化マンガン・4水和物が最適な添加物と判断しえた。次に、実際の使用を想定して、内容積が約50mlのカプセル内で硝酸マンガン・6水和物に3.5%wt.の塩化マンガン・4水和物を入れて、凝固・融解の繰り返し実験を行った。その結果、カプセル表面温度が26℃、16℃において十分に凝固・融解を生じさせることが出来ること、また30回以上の凝固・融解の繰り返し試験においては、潜熱量が若干減少するものの、熱応答的にみて十分安定性があるとの結果を得ることができた。以上の結果から、本混合物が今後、価格の問題を除いて、実際の冷蓄熱材として使用できる見込みがついたと言える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 長野克則他: "冷房負荷平準化に利用な潜熱蓄熱材の実験的検討"空気調和・衛生工学会平成11年度学術講演論文集. II. 945-948 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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