接触面積を測定した青年男子被験者から、6名を選定して、接触面の温度分布測定を行なった。姿勢は、あぐら、正座、投足、立ち膝姿勢とした。温度分布測定は、測定点は、臀部用300、大腿または下腿用150点、足部用60点とした。各被験者は、下着の上に薄手の計測着を着用し、2時間のプレヒートを行った面発熱体上の接触温度測定装置上に位置した。暴露時間は1時間とし、接触部温度は、暴露3分〜13分後、23分〜33分後、43分〜53分後の間に測定した、被験者には、極力体を動かさないように注意を与え、姿勢の保持が不可能な場合は、実験を中止する旨を伝えた。その結果、臀部と脚部の接触部温度分布が明らかとなった。臀部においては坐骨を中心とした部分が最も高くなった。これは、体重を支える坐骨辺りにおいて、局部的に体圧が高くなるためであると推察される。臀部接触部温度は、坐骨と接触部境界線との等距離辺りの点を代表点とすることができることが明らかとなった。接触部の圧力分布測定は、装置の不備等により、学術的な成果を得ることができなかたため、今後も、この課題について取り組む必要がある。 また、くつろいでいる時の姿勢を把握するために、名古屋を中心とした愛知・岐阜・三重県に在住している人を対象に、600枚のアンケート用紙を配布した。椅座位:平座位:臥位の比は、全体で23.3:41.4:35.3であった。男女間を比較すると、男性が臥位姿勢を好むことが明らかとなった。年齢間を比較すると、年齢が高いほど椅座位姿勢が好まれている。これは、床に直接腰を下ろす姿勢は、安定感がありくつろぐことができる反面、立ち上がる際に労力が必要となるためであると推察される。居間の床材間を比較すると、床材がフローリングの場合が多少椅座位姿勢を用いることが多くなっている。これらのことから、女性または高齢者ほど、姿勢のくずれが少なく、住宅以外で用いている姿勢を保つ傾向が明らかとなった。
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