1)まず前年度に引き続いて、積雪時の屋外温熱環境の数値シミュレーションモデルのプロトタイプの整備を行った。ここでは、基本的な条件の都市環境を対象とした実測結果との照合により、シミュレーションコードの有効性を吟味した。 2)冬季には、新潟工科大学グラウンドにおいて積雪の有無が、周辺の温熱環境や人体の温熱感にどのような影響を及ぼすかについての実測調査を実施した。グラウンド上に積雪面と無雪面の2種類の地表面を用意し、各種の物理量を測定した。測定項目は、日射量、風速・風向、空気温度、積雪表面温度、グローブ温度、顕熱フラックス等である。これらの物理量について測定し、積雪時の屋外温熱空気環境の基礎資料として整備した。 3)次に既に開発した数値シミュレーションモデルを、実測を行った条件に適用し、予測結果を検証を行いその有効性を検証した。この結果から、今回開発した数値解析手法が積雪時の温熱環境を形成する諸要因の因果関係を明らかにするための有効なツールと成りうることを示した。
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