本年度の初めに入手する予定であった「高分解能衛生画像データ」の提供が遅れたため、具体的なデータベースの作成は次年度に行うことし、本年度は、このデータが得られることを想定した上で、データの解析方法に関する検討を行った。 1. データベース作成についての想定 1) 「高分解能衛星画像データ」の具体的な特性については入手後でなければ把握できないが、約1m程度の解像度が確保されることを想定し、このレベルで建物の形状や配置が把握できると考え、建物3次元形状を表す画像データのサンプルを作成した。本研究室では、画像データを用いた都市空間の分析に実績があり、画像処理の基本的なツールは、これらを改良して利用した。 2) 既存の分析指標の計測: 画像データのサンプルを用いて、建蔽率や容積率といった既存の量的な指標の計測を行った。これにより「高分解能衛星画像データ」の入手後に、建蔽率や容積率、棟数密度など、建物に関する量的な情報が自動的に得られるはずである。 2. データの解析手法に関する検討 作成されたデータベースを用いて、建物の配置あるいは空隙の形態を分析する手法を検討した。 1) 空隙の定量的把握に使用された分析手法を、適当な形に改良して新たな分析手法とした。 2) 今後作成されるデータは、これまでのデータと異なる可能性があり、新たなデータの特性に適合した手法も必要である。解像度1.0mの画像データであることを考えて、ややマクロなスケールで捉え直し、「おおまかな建物の配置」の分析手法について検討を行った。 3. 手法の適用 サンプルの画像データに対し、手法を実験的に適用し分析を行った。分析の対象地としては、GISデータベースなどが整備された東京を選定した。
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