研究概要 |
本研究の対象地域として,阪神間の沿岸部において(1)住・商・工の土地利用特性が顕在化している,(2)熱環境の影響が互いに及ぼしあわないように隣接しない,3地域を抽出した。その結果,対象地域として兵庫県芦屋市(住居地域),兵庫県尼崎市(工業地域),神戸市中央区周辺地域(商業地域)の3地域を抽出した。 以上の研究対象地域における緑地構造ならびに熱環境特性を整理するために,まずランドサットTMデータを用いて植生指標(NVI)を算出し,熱環境に影響を与えうる樹林地を抽出した。また,公園計画図から都市公園を抽出し,50×50メッシュデータに反映される規模の営造物公園を抽出した。以上のデータの整理から,地域性緑地と営造物公園の2段階で,研究対象地域における緑地構造図を作成した。 緑地構造図に加え,沿岸域の特性を探るために海岸線の抽出し,海岸線からの垂直距離によりバッファを派生させ,沿岸域の特性図を作成した。 熱環境に関しては,ランドサットTMデータを用いて地表温度を推定した。また,対象地域の気温の定点観測データを収集し,教師データに用いて気温を推定した。 以上,沿岸域における土地利用が熱環境に及ぼす影響を明らかにするために,自然要素の抽出を中心に行った。なお,本年度はデータの整理のみ行ったため,研究発表等は行っていない。
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