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1998 年度 実績報告書

有機分子集合体を鋳型とした細孔を有する結晶性アルミナの形成

研究課題

研究課題/領域番号 10750487
研究機関山形大学

研究代表者

中根 幸治  山形大学, 工学部, 助手 (50292446)

キーワードドデシル硫酸ナトリウム / ナノ複合体 / 臨界ミセル濃度 / 鋳型 / 焼成 / メソポーラスアルミナ
研究概要

アルミニウムイソプロポキシドを80℃で加水分解し,その後0.3Nの酢酸で解膠してアルミナゾルを調製した。この方法により厚さが2〜3nmのカード型アルミナ微粒子が形成されることが示唆されている。種々の濃度のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液にアルミナゾルを混入させることによって沈殿が生じ,これを乾燥させて白色粉末のアルミナ/SDSナノ複合体を得た。これはカチオン性のアルミナ微粒子とアニオン性のSDSミセル表面の静電的相互作用により塩が形成されたと考えられる。広角X線回折より,アルミナ以外の鋭いピークが観察されたことから,複合体中にはSDS分子集合体が存在することが示唆された。
ナノ複合体を空気中500℃で5時間焼成することにより,SDS分子集合体を鋳型としたメソポーラスアルミナの形成を行った。形成したアルミナは擬ベーマイトであったが,焼成によりγ-アルミナに相転移した。ナノ複合体形成時のSDS水溶液の濃度の増加に伴い,得られたアルミナの平均細孔直径(d)は増加したが,比表面積(S)は減少した:SDS水溶液の濃度が臨界ミセル濃度(cmc)からcmcの150倍の濃度の間で,Sは344から171m^2/g,dは4.2から10.0nmに変化した。これらのアルミナの細孔はSDS水溶液のミセルの形状を反映した細孔であることが考えられた。すなわち,SDS水溶液の濃度により,SDS分子の集合形態が球状,棒状あるいはその集合体と変化し,その形態が複合体にも反映しているものと推測した。
以上のように,SDS水溶液の濃度を変化させることにより,複合体の構造変化,およびメソポーラスアルミナの細孔制御が可能であることを示した。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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