Nbを添加したBaTiO_3薄膜をBa(C_<11>H_<19>O_2)_2(C_8H_<19>O_2)_2-Ti(O・i-C_3H_7)_4-O_2の原料系からMOCVD法で作成した。Nbの含有量はNb原料の供給量により制御でき、平滑な表面をもったエピタキシャル成長BaTiO_3薄膜が(100)MgO基板上に作成できたた。基板に垂直および水平の両方の格子定数はNb含有量が8at%まではNb含有量の増加に伴って大きくなり、Nb原子がBaTiO_3の格子に固溶しているのが確認できた。しかし8at%以上では格子定数は変化せず、Nbの固溶限界をこえていると考えられる。一方格子定数の比である(c/a)比は組成によらず一定であり、正方晶と立方晶の単結晶の中間となった。この値は薄膜が基板から受ける応力を考慮することで説明でき、薄膜は立方晶が変形した正方晶であることがわかった。 Nb含有量が1.5から7.5at%の薄膜が半導体化し、最も高い導電率は5.7at%で得られ、101Ω^<-1>・cm^<-1>オーダーであった。またその時のキャリア密度は10^<21>cm^<-3>オーダーであった。導電率とキャリア濃度のNb含有量依存性は非常に良く一致し、導電率の変化はキャリア濃度の変化で説明でき、移動度はNb含有量によらずほぼ一定であった。 Nb含有量が3.1at%のBaTiO_3薄膜について導電率の温度依存性を測定し求めたみかけの活性化エネルギーは0.034eVと非常に小さく、これはキャリア密度が7x10^<20>cm^<-3>と高いことが原因と考えられる。
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