研究概要 |
初年度である平成10年度は、可視域から赤外域にかけて透明で、フォノンエネルギーが小さく、高い発光効率が期待できるテルライトガラスを基本組成として、希土類として波長1.3μmに発光を有するPr^<3+>を、増感剤としてYb^<3+>をドープした試料を溶融法で作製した。純度99.99%以上の試薬(TeO_2,ZnO,Na_2CO_3)を用いたバッチ組成を金ルツボで、温度800-850℃で1時間溶融し、鉄板上に流し出し冷却することにより、ガラス試料を得、除歪したガラスを切削、鏡面研磨し、光学測定に供した。 蛍光寿命はパルスレーザ光により、Yb^<3+>:^2F_<5/2>準位あるいは、Pr^<3+>:^1G_4準位を励起し、分光器により1.3μmの蛍光を分光し、InGaAsフォトダイオードとオッシロスコープにより検出した。得られた蛍光減衰曲線から寿命を求め、始準位の量子効率、エネルギー移動速度を算出した。 ガラス組成と希土類濃度を系統的に変えて実験を行い、組成とエネルギー移動効率、量子効率の関係を明らかにした。以上のデータを基に、高利得が期待される最適組成ガラスについて電流変調型半導体レーザを用いることにより、実際的な光増幅器利得特性を測定した。また温度を変えて測定することによりエネルギー移動速度の温度依存性も明らかにした。
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