研究概要 |
結晶性チタン酸バリウム(BaTiO_3)自立膜の種々の気-液界面,液-液界面における室温合成について検討した.高濃度のBa,Tiアルコキシド前駆体溶液(1.2mol/L),またはその前駆体溶液をH_2O/Ba=0〜6の水蒸気で部分加水分解したゾルを,種々の気-液界面または液-液界面へ展開した.窒素-流動パラフィン界面に部分加水分解したゾルを滴下した場合,液は界面に広がり,次いで透明膜を形成した.室温下での熟成で,膜はシネレシスと溶媒の蒸発により収縮した.その結果,厚さ約10μmの透明自立膜を得ることに成功した.膜は粒径約5nm程度の擬立方晶ペロブスカイトBaTiO_3結晶粒子が,均一にアルモファスゲル骨格中に分散したナノ構造を有していた.膜中に含まれているBaTiO_3結晶粒子は,同じ前駆体溶液を用いて得られたモノリシックゲル中に含まれれるそれ(約10-20nm)に比べてかなり小さかった.
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