今年度は主に装置設計、作製それに並行して予備実験による材料作製条件の検討を行った。 装置はLSMCD法とほぼ同様のものとし、原料の噴霧方法は超音波によった。複合材料作製のため原料の噴霧装置を2個設置した。前駆体の乾燥、分解のためUVユニットを用意した。 予備実験を以下のように行った。酢酸鉛、イソプロポキシチタン、ブトキシジルコニウムを2-メトキシエタノールに溶解還流し、前駆体溶液をえた。複合材料薄膜合成時には、(前駆体溶液A)Pb/Ti=1、(前駆体溶液B)Pb/Zr=1となる2種類の溶液を用意した。これらの溶液をそれぞれ超音波噴霧装置に注入し、噴霧した。窒素キャリアーガスで前駆体液滴を基板に吹き付けた。基板を所定の温度で保持し、基板表面で溶媒の蒸発を行った。その後、有機成分を除去するため350℃で熱処理し、さらに高温でRTA処理して結晶化させた。得られた薄膜の相をXRDで同定した。 RTA処理によりペロブスカイト単相膜を合成できることが明らかとなった。また、得られた薄膜はチタン酸鉛およびジルコン酸鉛(多少固溶しているが。)からなり、複合化していることが明らかとなった。 上記結果をもとに次年度はさらに電気的特性と微構造について解析する予定である。
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