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1998 年度 実績報告書

金属間化合物の中間温度および高温疲労挙動

研究課題

研究課題/領域番号 10750516
研究機関京都大学

研究代表者

加藤 博之  京都大学, 工学研究科, 助手 (80224533)

キーワード金属間化合物 / 単結晶 / すべり変形 / バウシンガー効果 / 転位 / 加工硬化
研究概要

金属間化合物である銅-亜鉛(Cu-Zn)合金β相について、いわゆる強度の逆温度依存性が現れる200℃前後の温度における引張り試験と、引張り-圧縮の交番応力下の繰返し変形試験を行い、応力-ひずみ挙動を検討した。得られた結果は以下の通りである。
1. 純度99.999%以上の純度の銅と亜鉛を用いて、Cu-48at.%Zn(銅-48原子%亜鉛)合金単結晶を作製した。この単結晶の室温での降伏せん断応力は20MPa以下であり、過去の研究よりも欠陥密度の小さい結晶の作製に成功した。
2. 室温で単一すべりのみ生じる結晶方位を持つ単結晶試験片を作製し、室温から250℃までで引張り試験を行い、応力-ひずみ曲線を得た。すべり線観察、変形による軸の回転、結晶形状の変化、から活動するすべり系を同定した。応力-ひずみ曲線の形状変化と活動するすべり系の関係を決定した。
3, 引張り試験において活動するすべり系と加工硬化率の値との関係を求めた。加工硬化率は、降伏応力と同様な温度依存性を示す。
4. 降伏応力の逆温度依存性が現れる温度での繰返し変形による加工硬化率は、引張り変形のおよそ2倍である。繰返し変形中の引張りおよび圧縮変形中には、さらに大きな加工硬化率を示すが、応力の反転によるバウシンガー効果による軟化が顕著であり、それらの平均である。
5. 転位エッチピット法により、引張り試験の降伏前と繰返し変形初期の転位分布を観察した。
6. 以上の結果から、この金属間化合物における強度の逆温度依存性が現れる温度における加工硬化のモデル化と定量的説明が可能となった。現在、その理論的解析を検討中である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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