• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

超塑性アルミニウム合金板のガスブロー成形に及ぼす液相の影響

研究課題

研究課題/領域番号 10750529
研究機関九州大学

研究代表者

荒牧 正俊  九州大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50175973)

キーワード超塑性 / ブロー成形 / 金型 / 板厚ひずみ / ひずみ分布 / 成形性 / 破壊 / アルミニウム合金
研究概要

本研究は高効率の熱交換器作製に超塑性ガスブロー成形法を利用することを想定したものである。試料円板の表面積を稼ぐために,同心円状に複数の凹凸を付ける成型を試みた。前年度までは1つの金型溝に着目して最適成型条件(温度:793〜798K,ガス圧:0.5MPa,潤滑剤:窒化ボロン)などの基礎を確立した。本年度はその結果を踏まえ複数の金型溝を用いての調査を行った。
まず組織観察と熱分析(DSC)の結果から,温度を液相出現直下(798K)とすると成型速度向上に有効であることが明らかとなった。そして破壊は超塑性発現のための加工熱処理時の圧延で,圧延方向に伸びた介在物からのボイド発生により起こることが示された。さらに枚厚ひずみ分布の測定から以下のことが明らかとなった。(1)表面積を2.5倍とする溝深さ8mmの4溝と,溝深さ10mmの3溝への成形において,成功確率は後者の方が30%と低かった。このことは,溝深さは8mmくらいまでが限界であることを示している。(2)板厚ひずみ分布は溝中心に対して対称ではなく,溝の金型中心側の壁部では板厚ひずみは大きく外側では小さかった。このことは溝付きの際には,溝への流れ込み易さを考慮する必要があることを示している。(3)軸対称で同じ深さの溝付けを行う場合,一番内側の曲率半径は13mm以上にする必要がある(板厚1.5mmの場合)。(4)金型肩部曲率半径を1.75から2.5mmと変えた場合,3溝よりも4溝の方が枚厚ひずみへの影響が大きかったが,肩部曲率は成形性に大きな影響を与えるほどではなかった。
これまでの結果を総括すると,液相出現直下の温度で行えば成型時間は短縮されるが,それでもひずみ速度としては10^<-3>〜10^<-2>s^<-1>であり大量生産には向かないだろう。とは言え,付与する成型形状決定において留意しなければならない点を明瞭にできたことは設計上大いに役立つものと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 荒牧 正俊 他3名: "表面積増加を目的とした超塑性板のアルミニウム合金板のガスブロー成形"塑性と加工. 40・458. 67-71 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi