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1998 年度 実績報告書

チャンネルフロー電極法による鉄基二次元系合金の溶解反応の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10750533
研究機関東京理科大学

研究代表者

板垣 昌幸  東京理科大学, 理工学部, 講師 (90266908)

キーワードチャンネルフロー電極法 / 鉄基合金 / 溶解反応
研究概要

ステンレス鋼の主要元素はFeであり,Cr,Ni,Moなどを合金化することで耐食性を得る.本研究では,チャンネルフロー電極法(CFDE)を用いることで鉄基二元系合金から溶解するFeイオンと合金成分イオンをそれそれin-situに定量し,溶解反応機構を決定することを目的とした.今年度はFeNi合金の溶解反応について詳細な解析を行った.
はじめにCFDEによるNiイオンのin-situ検出法を確立した.Fe(II)およびNi(II)に対する検出電流の検量線を作成し,検出極電位および捕捉率(試料電極から溶解するイオン量に対する検出の割合)を決定した.この知見をもとに,様々な組成比のFeNi合金の分極曲線の測定と同時にFe(II)とNi(II)の溶解量を定量した.これにより,低電位ではFe(II)が選択溶解すること,およびNi組成が大きくなることでFe(II)の溶解速度が飛躍的に小さくなることを明らかにした.さらに,交流インピーダンス法をCFDEの解析に適用した.測定された電極インピーダンスは,容量性挙動,誘導性挙動,負性抵抗など特異な軌跡を示し,その測定結果に対するシミュレーションを行うことで溶解反応の速度論的解析を行った.シミュレーション過程で得られる反応パラメーターを用いてNi溶解のNi(I)中間体の電極被覆率を求めた.その結果,活性溶解の低電位ではNi(I)の中間体の電極被覆率が非常に小さいこと,電極被覆率が0.01を越すと誘導性挙動,負性抵抗が現れることを明らかにした.今後は,他の合金元素の影響,ハロゲン化物イオンの影響を調べることで,ステンレス鋼の耐食性向上に関する系統的な基礎データを得る予定である.

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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