• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

熱誘起相分離法と超臨界流体誘起相分離法のハイブリッド化による新規多孔構造膜の創製

研究課題

研究課題/領域番号 10750560
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

松山 秀人  京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (50181798)

キーワード熱誘起相分離法 / 超臨界流体誘起相分離法 / 非対称性膜 / ポリスチレン / ポリプロピレン
研究概要

まず熱誘起相分離法による非対称性構造膜の作製について検討を加えた。溶融高分子溶液の上面のみから溶媒を蒸発させることで高分子溶液内に濃度勾配を形成させ、上面で孔径が小さく、底面で孔径が大きい非対称性構造の形成に成功した。得られた膜の溶質分離特性を検討した結果、等方性構造膜ではほとんど分離性が得られないのに対し、非対称性膜では100nm程度のストークス半径の溶質に対し顕著な分離特性を示した。
設計温度200℃、設計圧力40MPaのセルを新しく試作し、超臨界流体(CO_2)誘起相分離法による多孔膜の作製について検討した。用いた高分子は、ポリスチレンであり、溶媒はトルエンである。膜形成に及ぼすトルエン蒸発時間および圧力の彰響について検討を加えた。トルエン蒸発時間が長くなるほど高分子濃度は増加し、膜の上面に明確なスキン層が形成された。また、操作圧力が増すほど超臨界流体の非溶媒能が低下するため、孔径が減少することがわかった。このような超臨界流体誘起相分離法では、膜作成後に凍結乾燥等の操作が不要であるという利点がある。
最後に、高分子としてポリプロピレンを、溶媒としてジフェニルエーテルを用い、高温溶融物を冷却させる(熱誘起相分離法)と同時に超臨界CO_2を導入し(超臨界流体誘起相分離法)、両分離法のハイブリッド化による多孔膜の作製について検討を加えた。得られた多孔膜の孔径は、熱誘起相分離法のみの場合より顕著に小さく、超臨界CO_2の非溶媒としての特性が確認された。また、超臨界圧力を変化させることによっても孔径の制御が可能であった。このような膜構造の特徴に加え、本ハイブリッド法では得られた膜の溶媒の乾燥が不要という特徴がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.MATSUYAMA: "Formation of Anisotropic Membrane Structure via TIPS Process"Proc. the 8th APCChE Congress. 3. 1913-1916 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi