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1999 年度 実績報告書

ヘテロポリ酸塩ナノ結晶子の自己組織化によるミクロ多孔体の設計

研究課題

研究課題/領域番号 10750563
研究機関広島大学

研究代表者

犬丸 啓  広島大学, 工学部, 助教授 (80270891)

キーワードヘテロポリ酸 / 自己組織化 / ナノ粒子 / 多孔体
研究概要

ヘテロポリ酸塩の一種である12タングストリン酸のアンモニウム塩は、6-10nm程度の大きさのナノ結晶子が結晶方位をそろえて自己組織化集合したミクロ多孔体を形成する。本研究では、これらの生成過程の検討、化学的還元により電子をドープすることによる物性変化、界面活性剤や溶媒,アニオンの電荷制御による集合体構造の変化を検討した.。ナノ結晶子集合体をn-BuLiで還元すると、55K付近にスピングラス的な転移を示す部分が存在することがわかった。ナノ結晶子が規則配列して互いにエピタキシャルに連結し、かつミクロ孔が網目状にランダムに単結晶内に存在するため、フラストレーションを含んだスピン間相互作用が現れたと推定した。界面活性剤集合体を添加した合成では,界面活性剤のミセルの周囲に結晶子が集合したと思われる棒状集合体が一部に生成し,結晶子の配列制御の可能性が示唆された.一方,アニオンの電荷を-3から、-4に変えるため12タングストケイ酸のアンモニウム塩(NH_4)_4SiW_<12>O_<40>を合成したところ,単結晶からアニオンが欠落して細孔ができた,「結晶性ミクロ多孔体」が生成した.空隙率は0.5にも達し,単結晶中からヘテロポリアニオンが半分も欠落して多孔体となっている.これは,細孔のない結晶性物質から細孔が生成する新規な細孔生成メカニズムである.この多孔体は水溶性であるため,溶液の塗布乾燥により容易に薄膜化できる.ガス分離膜などへの応用が期待される.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 犬丸 啓: "均一沈殿法による12タングストリン酸アンモニウム酸性rs塩触媒の調製とその構造"日本科学会誌. 1998. 390-397 (1998)

  • [文献書誌] Sayaka Uchida: "The First Direct Detection of Rapid Migration of Acidic Protons between Heteropolyanions in H_3PW_<12>O_<40>・nH_2O(n<6)by^<31>PNMR"Chemistry Letters,. 1998. 643-644 (1998)

  • [文献書誌] Kei Inumaru: "Porous Aggregates of Unidirectionally Oriented Microcrystallites of Heteropoly Compounds"Microporous and Mesoporous Materials,. 21. 629-635 (1998)

  • [文献書誌] 犬丸 啓: "ヘテロポリ酸塩ナノ結晶子のセルフアセンブルによるミクロ多孔体"ゼオライト. 15. 98-103 (1998)

  • [文献書誌] 犬丸 啓: "ミセルを鋳型とした非シリカ系多孔体合成の展開"触媒. 41. 564-565 (1998)

  • [文献書誌] 犬丸 啓: "いろいろな無機化合物のナノ構造体をつくる-分子集合体を鋳型とした合成法の展開"化学. 54・9. 64-65 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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