研究概要 |
本研究では,Rhを主触媒とする二元系担持金属触媒をとりあげて,担体上での異種微粒子の相互配置を制御することを目的とする.さらに,金属粒子径など他の触媒構造を変化させることなく,微粒子の相互配置のみを制御することによって,相互配置が触媒反応特性に及ぼす影響を明らかにする. 本年度は,合成ガスからの炭素数2(C2)の含酸幸化合物合成用触媒として知られているRh-Fe系触媒をとりあげ,各種方法を用いて各成分金属の相互配置制御を試みた.なお,当初検討する予定であったRh-Mn系触媒は調製が困難であったため,Rh-Fe系で知見が得られた後に検討することとした. 配置制御法として次の3種類の方法を検討した: 1) マイクロエマルション(ME)中でRh前駆体微粒子(正に帯電)を合成しSiO_2に固定化した後に電荷の異なるFe塩を含浸する方法, 2) ME中でRh前駆体微粒子を合成し,そのRh微粒子に電荷の異なるFe塩を吸着させた後に担体に固定化するという方法, 3) ME中でRh前駆体微粒子とFe前駆体微粒子を合成順序を変えて調製し,SiO_2に固定化する方法.これらのうち,3)の方法が調製手順によるRhとFe微粒子の担体上での相互配置が最も顕著に異なった.すなわち,3)の前駆体微粒子合成手順が 3-a) ME中でRh前駆体微粒子→Fe前駆体微粒子の順に合成した場合, 3-b) ME中でFe前駆体微粒子→Rh前駆体微粒子の順に合成した場合, 3-c) 別々のME中で調製したRhとFeの前駆体微粒子を混合した場合 において,3-a)>3-c)>3-b)の順で,FeがRhを被覆する割合が多くなった.同時に,この順序で,CO水素化反応における触媒の比活性が高くなった.以上のように,上記3)の方法で異種微粒子の担体上における相互配置制御が可能であることが示唆された.
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