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1999 年度 実績報告書

遷移金属触媒を用いた芳香族化合物へのアルキル基導入の新手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10750611
研究機関大阪大学

研究代表者

垣内 史敏  大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70252591)

キーワードルテニウム触媒 / C-H結合切断 / C-C結合生成 / 芳香族ケトン / 芳香族イミデ-ト / 芳香族ニトリル / 芳香環アルキル化 / オリト位選択的
研究概要

本研究は、ルテニウム触媒を用いた芳香族炭素-水素結合のオレフィンへの付加反応の適用範囲の拡大、ならびに反応機構について知見を得ることを目指して行った。
芳香族イミデート類とオレフィンとの反応では、配位性の置換基が6員環の場合には芳香環のアルキル化反応が優先し、5員環の場合には脱水素型生成物が優先して得られるという興味ある結果を得た。芳香族ニトリルとの反応も進行することが明らかとなった。このことは、ヘテロ原子の配位だけでなく、π電子の配位も利用できることを示している。
また、基質として芳香族エステルを用いて研究を行っている途上に、芳香環上の置換基が反応性に大きく影響を与える事を見出した。通常、還元的脱離は脱離基上に電子供与基が存在すると反応が促進されることは知られている。これに対し、本触媒反応では、電子吸引基が存在すると反応が促進されることが明らかとなった。この知見は、今後同様の反応を設計する際の新しい設計指針を与えるものと期待される。
安息香酸メチル-d_5を用いて重水素標識実験を行ったところ、炭素-水素結合の切断段階は律速ではなく、炭素-炭素結合生成段階が律速であることが明らかとなった。長年にわたり、炭素-水素結合の切断は困難な過程と考えられていたが、必ずしもそうでは無いことが本研究により示された。また、この結果は炭素-水素結合切断を含む触媒サイクル設計において、最も注目すべき段階が炭素-炭素結合生成段階である可能性を示している。
本研究での成果は、当初目標としていた内容をほぼ達成できたと思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] F.Kakiuchi et al.: "Ruthenium-Catalyzed Coupling of Arcinatic Carbon-Hydrogen Bonds in Arcinatic Imidates with Olefins"Chem.Lett.. 1号. 19-20 (1999)

  • [文献書誌] F.Kakiuchi et al.: "The Ruthenium-Catalyzed Addition of C-H Bonds in Aromatic Nitriles to Olefins"Chem.Lett.. 10号. 1083-1084 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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