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1998 年度 実績報告書

インゲノールの全合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 10750619
研究機関北海道大学

研究代表者

谷野 圭持  北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40217146)

キーワードインゲノール / インゲナン / 天然物合成 / アセチレンジコバルト錯体 / エポキシアルコール / 転位反応
研究概要

筆者は昨年度までに、コバルトアセチレン錯体部位を有するtrans-デカリノール誘導体の「連続的環化/転位反応」を鍵とするインゲノールのモデル化合物合成に成功している。今年度は、インゲノールの全合成に向けてA環およびB環への酸素官能基導入について検討を加えた。その戦略として、A環に酸素官能基を導入する目的で、「連続的環化/転位反応」に代えて対応するエポキシアルコールの転位反応を利用することとした。また、B環上の酸素官能基はtrans-デカリノール誘導体にあらかじめ導入しておくこととした。まず、市販の2,2-ジメトキシシクロキサノールを出発原料とし、B環上に酸素官能基を有するtrans-デカリノール誘導体の立体選択的合成を行った。このコバルトアセチレン錯体にメチルアルミニウムビス(2,6-ジメチル-4-ニトロフェノキシド)を作用させて環化反応を行い、3環性アリルアルコールを得た。このもののコバルトアセチレン錯体部位をBirch還元によりオレフィンに変換後、位置および立体選択的シクロプロパン化を行いD環を構築した。アリルアルコール部位を3級水酸基の誘導効果を利用して立体選択的にエポキシドとした後、トリメチルアルミニウムで処理して転位反応を行い、完全なCD環部に加えA環上の1位およびB環上の6位に各々酸素官能基を有するインゲナン誘導体を合成した。このものの1位水酸基を保護した後、6位水酸基をケトンへと酸化し、次いで塩基で処理したところ、メタノールの脱離を伴い4位と5位の間に二重結合を有するエノンが得られた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Keiichi Masuya: "Highly Regio-and Stereoselective [3+2] Cyclopentanone Annulation Using a 3-(Alkylthio)-2-siloxyallyl Cationic Specie" Journal of American Chemical Society. 120・8. 1724-1731 (1998)

  • [文献書誌] Keiji Tanino: "A Novel Method for Inside Selective Silylation of 1,2-Diols" The Journal of Organic Chemistry. 63・8. 2422-2423 (1998)

  • [文献書誌] Hajime Mizuno: "Total Synthesis of (-)-Coriolin" The Journal of Organic Chemistry. (in press). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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