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1998 年度 実績報告書

走査型顕微光散乱によるゲルの網目構造に記憶された不均一性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10750644
研究機関東京工業大学

研究代表者

古川 英光  東京工業大学, 工学部, 助手 (50282827)

キーワードゲル / 膨潤 / 不均一 / 光散乱 / フラクタル / 網目 / 濁度 / 揺らぎ
研究概要

1. 不均一な網目構造をもつゲルの調製 さまざまな不均一性をもつゲルを調製するため、仕込み時のモノマー組成を系統的に変えて、アクリルアミド(AA)ゲルを合成した。ビニルモノマー(主モノマー)とジビニルモノマー(架橋剤)の比を一定に保ち、仕込み時のモノマー濃度T(wt%)を変化させた。ゲルの調製時の熱揺らぎを抑えるために、低温恒温器中で重合を行った。このようにして作ったゲルは見た目にも濁度が徐々に変わって行く様子が観察できる。大まかに言うとTが大きくなるにつれて濁度(すなわち不均一性)が増し、T>10では白濁する。
2. 膨潤状態の異なるゲルの調製と観察 調製した様々なAAゲルの平衡状態における膨潤率αをデジタル読取顕微鏡を用いて精密に測定した。その結果、膨潤挙動に大きく分けて3つの領域があることが分かった。1)まずTが小さい領域ではαは大きく減少し、2)ある点を過ぎるとαは増加に転ずる。3)更にTを増加させるとαの増加が緩やかになる。それぞれの領域におけるゲルの網目構造は、ゲル化点近傍のフラクタル的な網目、網目の大きさがほぼ揃った準理想的な網目、網目同士が絡み合った密な網目、に対応していると推論した。フラクタル的な構造から、準理想的な構造への移り変わりについては簡単な理論的モデルを作り、これにより膨潤挙動を定性的に説明できることを示した。
3. 走査型顕微光散乱によるゲル網目の不均一性と動的揺らぎの測定 既存の装置を改良し、膨潤ゲルの網目構造の観察に特化した走査型顕微光散乱装置を作製した。これを用いて、現在、AAゲルの網目構造について、局所的な静的光散乱と動的光散乱の同時測定を行っている。その結果は上述の3つの網目構造の描像を支持している。これについては次年度にわたり、今後継続的に測定を行う計画である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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